諏訪 美咲
2017.10.17~19
NY州Syracuseで行われたCornell Nutrition Conference(CNC)2017に参加しました。
CNCは常にアメリカの、そして世界の酪農生産獣医療のトップを走るCornell大学が毎年開催する乳牛の栄養学会です。
一つの大学の主催による栄養学会としては非常に巨大で、アメリカ32州、20か国、585人が参加登録し、著名な研究者や栄養士、獣医師も一堂に会しています。
また、ビュッフェスタイルの朝ご飯を食べながら、朝7時にモーニングセッションが始まり、数回のブレークをはさみながら夕方までみっちりのスケジュールはなかなかハードでした。
今年は非常に大きな栄養システムの変更や新知見はないようでしたが、アメリカの研究者が現在どの分野に注目してこれから発展が見込まれるのか、数年前までの定説が少しずつ覆っていく過程など大きな潮流が何となく見えてきます。
中でも、脂肪酸の分野に関しては今後の現場での利用価値をさらに高める可能性を感じました。C16:0は、現在夏場の乳脂肪低下を防ぐためバイパス油脂として添加していますが、繊維の消化率を上げる可能性について言及されており、新たな使用価値が明らかになっていくかもしれません。
アメリカに行くたび、アメリカの酪農に関わる産業の層の厚さと幅広さを改めて実感します。大学の研究が実用レベルに落としこまれているところに日本との大きな差を感じました。日進月歩の酪農栄養学にしっかり付いていき、現場レベルで農家の役に立つ技術や知識はどんどん生かしていきたいと思います。